都市伝説

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 それは理解できる者が見れば、思わず眼を見開いてしまうだろう。なぜなら『白い点』は人間を表し、モンスターを意味する『赤い点』が一つもないのだから......。  おおよそ『ダンジョン』とは言えない代物を見ても、彼は眉一つ動かさない。 「......ダンジョンステータス、『オープン』」  すると、宙に浮く青い半透明な板から『網』の絵が消え、代わりにいくつかの文字と、無数の数字が浮かび上がる。  ダンジョンネームという文字の下には、『無し』と書かれている。  また、ダンジョン形態という文字の下には『初期ダンジョン』、ダンジョンLVの下には『LV1』と書かれている事から、このダンジョンは駆け出しで、まださほど強くはないのだろうという事がうかがえる。  しかしダンジョンポイントという文字の下には、誰もが羨ましがるような、そしていささか『異常な数値』が表示されていた。  一番左の数字は9、単位は千億。表示されている数字は、百億以下を切り捨てると900000000000だ。彼はそれを見て、果てしないな、と思う。  一番右の数字は、昼間に比べれば緩やかだが、それでもそれなりの速さで変動している。
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