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ここは、あの部室では、ない。そしておそらく日本ですら、ない。
けれど、みんなここにいる。
視界に再び水平線が戻ってくる。そして、目が覚めた後にバッグにしまったままだった、スマホを取り出す。
奇妙な画面。こんなことになった原因。まず、間違いない。
わたしは最後に消えた。その最後に消えたわたしがここにいる。だから、彼女たちもここにいることは、十分考えられる。広大すぎてどこにいるのかは、全く見当がつかないけれど。
「サヨさんたちを探そう。だけど――」
ショルダーバッグを肩にかける。中には教科書、ノート、そしてペットボトル。これが尽きる前に何とかまずは、この陸の海原を出て、まともな陸地を探さないといけない。彼女たちを探すのはそれから。見つける前に死んでしまったら、さすがに元も子もない。
わたしは、謝らないといけない。
わたしのせいで、みなさんを神隠しに巻き込んでしまったと。
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