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やっとのことで息を一つして、まだ動く首と目を動かして、天井を見上げる。
たった二週間前の入学式。そしてその後の新入生歓迎会。あの時には、今、こんなことになるなんて、思いもしなかった。
「『神園』」
消えた三人の姿の痕跡を追うように、部屋を見回していた目が、原因となったであろう『それ』に止まる。わたしの左手に収まる『それ』の画面には、『神園』という文字が点滅している。
引き込まれるように、わたしは『これ』を見つけた。見つけた途端に、頭の奥底で鈍い痛みが広がり始めた。そして、まるで『これ』からわたしを逃さまいと、何かの意志が働いてくるかのように……わたしを『制御』してきた。
わたしの思考は正しく働いてくれなかった。身体が言うことを聞いてはくれなかった。
『これ』に近づかなければならない。
『これ』を取り込まなければならない。
そんな意志がどこからか湧いてくるかのようだった。
見上げていた天井からわたしの視線は引きずりおろされる。
『契約完了』
機械音声のような無機質な声が、だらしなく下がる左手の中から聴こえてきた。
すでに動かなくなってしまった身体が宙に浮く……。
――わたしはこのまま死ぬのだろうか。
初めてできた友人……サヨさんと、ひねくれてはいるけど人の良いメイさんと、穏やかで優しい山城さん。生まれて初めて……やっと、友達が、信頼できそうな人ができたと思ったら、これか……。
これはわたしが……友達を望んだことへの罰なのだろうか。
やはりわたしは、友達など望んじゃいけなかったのだろうか。
それとも――――。
「かみ……く……し」
息が詰まる。全身がより強く何かに締め付けられる。
――それとも、神隠しなどという出来事を調べようなどと思ったことへの、天罰なのだろうか。
それとも、その両方なのだろうか。
なぜ? どうして? どうして……わたしたち……が……?
だんだんと……ぼんやりとしてくる……せいで、うまく……考えられない……。
息が……うまくできなく……なってきた……。
ああ……。
部室が、消えて、いく。
……違う……わたしが消え始めて……いるのか。
視界が……何かに……奪われていくように……暗くなってくる。
先に……行った三人の後ろ姿が……見える気が……する。
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