掌編
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ライターの火は風にあおられ、頼りなく斜め横に青白い炎を伸張させる。 青木は掌で覆いながら、煙草の先に着火した。 涼しい夜気と共にメンソールの爽快感が体を駆け抜けていった。 心の底にたまった陰気もろとも排出するように、煙を吐いた。夜風はすぐにそれを拉し去った。 連れ去られたであろう方向へ視線をむけると、星が見えた。 星をみたのはいつ以来だろうか、と考えてしまうくらい青木には懐かしい輝きだ。
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