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「時代の流れには逆らおうってのか? 馬鹿なことだ。潮流にいち早く乗れるかが勝負なんだ」
とオーナーは、青木への批判を含めて口にしている。
人間性は評価できないオーナーだが、不思議な鋭敏さを持っている人で、実際、オーナーの英断により何度も店は経営を盛り返してきた。それだけにオーナーの言葉は青木を深く傷つけていた。
追憶を忘れようと、素早い動作で携帯している灰皿に火種を押しつけて消した。半分以上残っていた。もったいない、と口から出たが、それほど惜しんではいない。
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