2人が本棚に入れています
本棚に追加
タクシーは空中を走っていた。ジェットコースターのようなレールが上空に伸びていて、タイヤはその上にあった。かなりの高さまで登っていて、光る星がとても近くに感じられた。
「お客さん、お客さん」と体を揺すられ目が覚めた。青木の目の前にネオンがあった。
「白波町ですがーー」
青木が眠りまなこで外を眺めると、確かに白波町一丁目の表示が信号機真下の看板に記されていた。タクシーは路肩に停められていた。
「ここで、いいです」
「そうですか……」
青木は表示されている金額を払い、降車した。夢の大部分が記憶として残っていた。それらのほとんどが、自分の記憶から派生した想像に思われる。
最初のコメントを投稿しよう!