掌編

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 タクシーは空中を走っていた。ジェットコースターのようなレールが上空に伸びていて、タイヤはその上にあった。かなりの高さまで登っていて、光る星がとても近くに感じられた。 「お客さん、お客さん」と体を揺すられ目が覚めた。青木の目の前にネオンがあった。 「白波町ですがーー」  青木が眠りまなこで外を眺めると、確かに白波町一丁目の表示が信号機真下の看板に記されていた。タクシーは路肩に停められていた。 「ここで、いいです」 「そうですか……」  青木は表示されている金額を払い、降車した。夢の大部分が記憶として残っていた。それらのほとんどが、自分の記憶から派生した想像に思われる。
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