おまけ 記憶の中の宝物 sideコウ

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1月1日。 結婚式から初めて迎えるお正月。 俺達は都心から少し離れた大きな寺に初詣に行った。 そこは関東三大師の一つに数えられ、毎年の正月には初詣の参拝客で賑わうと有名な寺だ。 だから当然だか境内は多くの人で大変な事になっている。 「凄い人だね」 境内を歩く中、ミウはキョロキョロと周りを見渡しながら言った。 恐らく予想はしていたと思うが、きっとそれ以上の混雑ぶりなんだろう。 多くの人に圧倒され、来た事を後悔しているかもしれない。 「ってわかっていた事だろ?逸れるなよ」 俺はふらふらっと人混みに紛れてしまいそうになるミウの手をぎゅっと握った。 するとミウは「へへっ」っと恥ずかしそうに笑った。 …だから言わんこっちゃない。 そう。今回の初詣はミウが行きたいと言って実現した。 俺としてはせっかくの休みだし、家でのんびりもいいと思ったが、ミウが何を思ったか急に行きたいと言い出した。 きっとテレビを見てて行きたくなったのだろう。 この時期は初詣のCMがやたらと流れるからな。 でもまぁ悪くない。 こうして年初めにミウとお参りに行く。 俺の前から姿を消した半年前では考えられなかったから。 理沙と高科の策略によって引き裂かれた俺達は華ちゃんの助けがあり元に戻る事が出来た。 もし華ちゃんの助けが無かったら…俺達はどうなっていたのだろう? …そんな事考えたくない。 だって今、こうしてミウと幸せに生活しているから。 華ちゃんには感謝しないといけないな。
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