第1話

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 五十鈴・黒は五十鈴に向かって砲を動かす。 『今度は外さないわよ。8インチ三連装砲用意ッ! 撃てぇッ!』  五十鈴・黒の背後に禍々しい姿の8インチ三連装砲が映し出される。  轟音と共に発射された砲弾は五十鈴のリアル艦をかすめ、そのまま海上に落ちて爆発した。  しかし五十鈴のリアル艦は砲弾がかすった個所に穴が開き、その周囲が黒く焦げて真っ黒い煙を上げている。 “小破”  少しかすっただけで小破させられてしまう五十鈴。  五十鈴の着衣は少しだけ黒くすすけ、右肩のあたりから真っ黒い煙が上がっている。 『ウソでしょ? ほんのちょっとかすっただけなのに……こ、こんなにダメージがあるの?』 『だからウソじゃないって言っているでしょ? 現実を見れない子にはおしおきよ?』  五十鈴・黒の背後に怪しげに黒光りする21インチ魚雷後期型の姿が映し出された。 『喰らいなさいッ』  五十鈴・黒のリアル艦から魚雷が発射される。  魚雷はしゅるしゅるッと凄い速さで海内を突き進み、五十鈴のリアル艦はなすすべなく、艦底に魚雷が被弾する。  悲痛な轟音と共に五十鈴のリアル艦は大爆発を起こし、五十鈴の本体は大きく吹き飛ばされてしまう。  五十鈴のリアル艦は今にも沈みそうなほどに大きく損傷し、真っ黒い煙を至る所から上げて沈黙する。  そして五十鈴は着衣をぼろぼろにされて、全身が黒くすすけている。  至る所から真っ黒い煙を上げながら、五十鈴はリアル艦上に倒れ込んでいる。 “大破” 『どういうことなの? ……私、改二なのよ? あなたと私、いったいどれだけレベルが違うっていうの?』  五十鈴・黒は宙に浮いて、五十鈴の元に降り立つ。  そして足元で倒れている五十鈴をさげすむような目で見下ろす。 『レベル? そうね、確かに違うわね。だって私、レベル3だもの』  五十鈴はエッと驚いた顔をして五十鈴・黒を見上げる。 『ふふッ、レベルが格下の相手にぼろ負けするのって、どんな気持ちかしら? 私、そういう経験が無いから、是非教えてもらいたいわ』 “ずどごぉぉぉおおんッ”  五十鈴・黒のリアル艦が被弾する。  鈴谷が五十鈴・黒のリアル艦に20.3センチ連装砲を発射した。 『ふふッ、少しだけど損傷したわ。やるじゃないアナタ。このダメ軽巡娘より少しは楽しめそうね』
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