2人が本棚に入れています
本棚に追加
『そういう人を見下す態度、うち超ムカつくんですけど。そういう奴ってマジ嫌いなんだよね~』
五十鈴・黒はふわりと浮いて自分のリアル艦に戻る。
そして鈴谷に向かって砲を動かす。
『おっと、危ないわね』
五十鈴・黒の目の前を46センチ三連装砲の砲撃がかすめ飛んで行った。
榛名が五十鈴・黒に向かって砲撃した。
『あなたの相手は私達全員よ! 例え相手がひとりであろうと、私達は全力で敵を叩き潰すわ!』
五十鈴・黒のリアル艦である長良型2番艦に対し、重巡が1艦、戦艦が3艦、正規空母が1艦、圧倒的な存在感で向かい合っている。
しかし五十鈴・黒は涼しい顔をして艦隊を眺めている。
『そうね、面倒だからまとめてしらっしゃい。全員すみやかに轟沈して差し上げるわ』
赤城は五十鈴・黒に照準を合わせる。
そして赤城の背後には数十機もの彗星が現れ、リアル艦から五十鈴・黒に向かって彗星による艦爆隊が飛び立った。
『ふふッ、私、空母って好きなの。だって絶望する顔が素敵に笑えるんだもの』
五十鈴・黒は8インチ三連装砲に真っ黒い弾を込めた。
『ふふッ、喰らいなさい。撃てぇッ!』
リアル艦から発射された弾は宙で爆発し、大量の子弾が艦爆隊を襲う。
子弾は見事なまでに艦爆隊に命中し、五十鈴・黒を攻撃することなく撃ち落とされてしまう。
『そ、そんな……』
無残にもすべての彗星が撃ち落とされ、艦爆隊は全滅してしまう。
『さぁ、全部の艦載機を発艦なさい。全て撃ち落としてあげるわ』
赤城は言葉を失った。
残る流星や零式艦上戦闘機52型を発艦させても、彗星と同じように撃墜されてしまうであろう。
赤城はなすすべなく、その場にへたりこんでしまう。
『あはははははッ! そう! その顔よ! その絶望したヘタレ顔がたまらなく素敵よ! 本当に笑えるわ! あははははははッ! どうせなら全機撃墜されてから絶望しなさいよ、情けないわねぇ』
不敵に笑い上げる五十鈴・黒に向かって、比叡と霧島が砲の準備をする。
ふたりの背後に46センチ三連装砲が浮かび上がり、同時に砲撃を開始した。
46センチ三連装砲の同時砲撃が五十鈴・黒を襲う。
しかし五十鈴・黒は避ける気配がない。
“どごどぉおおぉぉぉおおおッ”
最初のコメントを投稿しよう!