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「おじさんは何にされますか?」
「味噌汁の方。」
「畏まりました。咲、ほら。」
「わーい。ありがとう!」
目の前に出されたホットサンドとアイスコーヒー。woodに来たときの定番。
おじさんのものが来るまで待ってると、
「咲ちゃん。あったかいうちに食べなさい。私のも直ぐに来るから。」
「一緒に食べようよ。」
「そう言うと思った。おじさん、先にこっち出しとく。今日はしょうが焼きなんだ。直ぐ持ってくるから。」
と、ごはん、味噌汁、サラダ、漬け物が乗ったトレーをおじさんの前に置く翔。
「咲ちゃんがいるならもう少し早く来るべきだったな。今日はどうしたの?」
「えっとね、昨日あった報告会!」
「南井くんと喧嘩した?」
「してないよ!もう!」
「旅行に行くって。はい。お待たせ。」
「ああ、ありがとう。」
「そんで?咲。吐いたって?」
「うん。…どこまで話したっけ?」
「専業主婦。」
「あ、そうだ。専業主婦になってしまって、暇すぎて仕事したいって言ったの。」
「恭平、許してくれたのか?」
「うん!旅行行った後から始めれば?って!」
「へぇ。反対するかと思った。」
「でしょ?でも許してくれた!」
お兄ちゃんもやっぱり南井恭平が専業主婦を求めてたって知っていたらしく。驚いた顔をしていた。
「咲ちゃん、仕事するんだ?もう決まったの?」
急におじさんが会話に口を挟んできて。
「うん。旅行の後になるけどね。それまで探すつもりだよ。」
「woodは?」
「今で十分なのよ。私の入るシフトがない。」
「そうか。だったら私のところに来るか?」
「「…………へ?」」
思ってもみなかったおじさんからのオファー。
お兄ちゃんと二人して、ポカンと聞き返す。
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