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「…お…おじさん…待ってよ。気持ちは嬉しいけど、私は正社員にはなれないよ?時間も限られるし。」
「別にいいけど。」
「ほぇ?……因みに何をするの?」
「咲ちゃんの得意分野。補佐の仕事だよ。今、ちょっと人手不足でね。猫の手も借りたいくらいなんだよ。」
「咲、おじさんのところに行け!恭平も安心だろ!こんないい話ねぇぞ!」
「お兄ちゃん!勝手に決めないでよ!南井さんに相談して」
♪♪♪♪♪ ♪♪♪♪♪
「ぎゃぁーーー!!!」
突然鳴り響いた電話に驚く。
「……時の人。それ、恭平からだろ。」
「…なんでーーー?怖いよーーー!」
「早く出ろ!そして聞け!」
画面に見える"恭平"の文字。どこかに隠しカメラを仕込んでいるんじゃないかと思うほどのタイミング。
「もしもし?」
『咲?俺。今日は早く帰れそう。』
「ホントに?何時になる?」
『定時には上がるよ。俺のプランでクライアントが決定したから、二日ほど詰められたんだ。』
「凄い!良かったね!」
『……お前、今、外にいるのか?』
「え、あ、うん。お兄ちゃんとおじさんと一緒。」
『五十嵐社長?』
「うん。偶然一緒になって、ごはん食べてて…それでさ…えっとね…あーー…」
『何?その歯切れの悪さ。』
「お…おじさんが…うちで働かないかって…」
『はぁ!?マジで!?』
プチッ!!
「あああ!電話切っちゃった!どうしよう!」
「アホかーー!!!」
「だって!なんか怒ってた!翔のバカ!どうしてくれるのよ!」
「アハハハハ!」
「おじさんも笑ってる場合じゃ……いやぁぁぁ!」
あたふたしてると、再度着信が。
素直にそれに出て。
「ごめんなせぇ。旦那。おいら、ブチッと切っちまいやした。」
『旦那の電話を途中で切るとは、いい度胸してんな?コラ。』
……鬼ーーーー!!!
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