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「咲。こっちおいで。」
「……えと。こっちでいいです!」
「咲。コラ。お前俺に逆らう気か?」
「ハッ!…滅相もありません!」
「だったらこっち来い。ん。アイスコーヒーいれたから。」
「ど、どうも…」
なんか。なぁ…
落ち込んでるのに。いつもの雰囲気。
電話では機嫌悪かったのに。
「何落ち込んでるの。俺は怒っちゃいねぇぞ?」
「……………へ?本当?」
「だから。早くこっち来て。」
…って言いながら、後ろに般若とかなしだからね?その多重人格は、嫌ってほど見て
「…ぅンンン!!!」
とか!!おい!キスとか無しだろ!
なんでいきなりそうなる!
「………プハッ!」
「プハッって何だよ!」
「なんでキス?え?南井さん、おじさんになんて言ったの?なんで電話で怒ってたの?」
「ごめん。俺の早とちり。」
「へ?何を?」
「お前が身内の権限使って仕事するかと思った。聞いたら本当に偶然だったから。」
「って!私、最初に言ったじゃん!偶然会ったって!」
「うん。なんかスルーしてた。」
「おのれ…南井恭平…」
「だからごめんって。」
なんか腑に落ちないけど。謝ってるから許してやるか。
「それでな、今から少し出掛けるぞ。」
「え?どこに?」
「五十嵐建設。19時に会う約束したから。お前も行くぞ。スーツ着てこい。」
「会うって…おじさんに?」
「そう。仕事内容とか、部署とか、勤務時間とか、いろいろ聞きたくて。」
………だぁああああ!
このthe行動人間が!!!
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