モテモテカップル……!?

67/80
前へ
/762ページ
次へ
重なって時を過ごす夫婦のあり方。 南井恭平はよく言っていた。 そして、自分も言った。 ずっと恋人みたいな夫婦でいようって。 いつでも共に過ごして。 語り合って。 仲良く手を繋いで。 さっきの一言が、ズシッと心に響いた。 それをしてないのは自分で。 南井恭平は守ってるんだ。 カッコいい。これが私の旦那様。 「…だって……南井さんは嫌だもん! 絶対に嫌な思い我慢してるもん!」 …自分がめんどくさい。ホントに進歩ない。 「南井さんが笑ってるんだもん! コーヒーいれたのに持ってるもん! 草野さんと密室だったもん!」 「アハハ!」 「ムカついた!ムカついた!」 「うん。ごめんごめん。」 ブワッ!と涙が溢れてきて。 南井恭平はハンカチを出して拭ってくれた。 そして、フワッと抱き締めた。 「…奥さん。ヤキモチやき。」 「…うるさいな。」 「俺はお前のものだ。こんな顔を草野に見せたわけでもあるまい?」 「…そうだけど。」 「キスして?咲。」 「は?」 「ちゃんと俺はお前のものだって印つけて?」 「…キスマーク?」 「そう。」 ネクタイを緩めた南井恭平はちょっと屈んで。 ドキドキしながら首筋に唇を当てて。 「…咲。」 「……ん。」 「キスマークは噛んでつけるんじゃない。強く吸ってつけるんだ!」 「……………」 ………おっつ。………大失敗。
/762ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10081人が本棚に入れています
本棚に追加