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隣に引っ越してきた新婚カップル。
1週間の新婚旅行中に、飼い犬を見てて欲しいと言われ、簡単に請け負った南井恭平。
いや、可愛いんだけど。
私はナメられていた。
毎日、引っ掛けられる黄色の液体…
「だぁああ!臭い!」
「ワハハハハ!」
お風呂場で叫び声をあげながら、服が染みにならないようにお湯で洗い、そのままシャワーを浴びる。
今日は6回目のシャワー。
いい加減、むかっ腹が……
「南井さん!そのうち私、干からびて死ぬかもよ?何回お風呂に入ればいいわけ?」
「子犬だからしょうがないって部分もあるだろ?しつけもまだみたいだし。」
「返してきてよ!部屋の中臭い!」
「俺にはそんなことしないのになぁ…しかも、返せって言われても、本人たち、旅行から帰ってきてないじゃん。」
「って!何でそこで落ち着いてるのよ!ちょっと!ミラクル!そこは私の席なの!」
あぐらをかいた南井恭平の膝の上に、丸くちょこんと座って半分目を閉じ始めた。
「なんだ?お前。ただのヤキモチか。」
「…なっ……なっ……」
「かーわい。」
「う…うるさい!ミラクル!おいで。ハウスよ、ハウス。自分の部屋で眠ってね?」
優しく優しく…
なんて思いながらゆっくり抱き上げて、南井恭平から引き剥がす。
「ーーーーーーッッ!!!」
「ブハッ!!」
「こ……コノヤロー……」
「まさにミラクル……ワハハハハ!」
優しくしてやったら図に乗りやがって!
「スゲーな…30分の間に2回かよ…」
「…ハァ……もういやだ。」
ナメられきってる私は、いつも憎き黄色の液体を引っ掛けられてはお風呂に直行。
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