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ベッドに腰を降ろすと、リビングから私のコーヒーを持ってきて手渡した南井恭平。
それを一気に飲み干して、サイドテーブルにグラスを置く。
「南井さん!」
「何?南井さん。」
「恭平!」
「ん。どうしたんだ?」
「まず聞きたいことがある!」
「ん。」
「私は奥さんとして何か不満はありますか?」
「…………は?」
うん。
まずは聞くべきなのはそこだろう。
もし、不満があるのなら、それをちゃんと改善して、完璧な奥さんになってから言うべきこと。
「不満だらけ。」
「………ぐっ………」
カン!カン!カン!カン!カン!
(赤コーナー南井咲、K.O.敗けです!)
………はっ。
今度はゴングとアナウンスが聞こえてきた!
……ちっ。こいつ…私のどこが
「いつまでたっても"南井さん"から抜けないし。
犬にヤキモチ焼いてるし。
なんか隠し事してるし。
最近夜の相手すらしてくれな」
「それは南井さんが仕事ばっかりだからでしょ!大変だなぁって思って!」
「ほうら。また南井さん。」
「恭平!」
「ん。でも、お前からも誘って欲し」
「だぁああ!!なんだそりゃ!」
「たまには見てみたいじゃん。エロい妻も。」
なんだ?
なんか話がズレてる…
「まぁ…確かに俺の仕事が忙しいってのもあるから、そこは譲歩してやる。
営業部なのに、営業よりプロジェクトの方が仕事多いからな。
榊さんも簡単に仕事受けてきて、俺に半分以上寄越してくるんだから仕方ないけど。」
「やっぱり元凶はあの男かよ…」
…クソ榊…
今度会ったらケチョンケチョンにしてやる…
そう考えてると、身体がフワッと浮いて、南井恭平の膝に着地した。
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