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零が部屋を出て行った。
私はベッドから落ちて、窓辺まで這っていった。
両手を使って桟に何とか登り、いつもみたいに窓に体重を預けた。
グシャグシャになってはだけてしまった服から、露出した肩や二の腕に直接窓が当たる。
冷たい。
痛々しい程に。
雪は降っていなかった。
そして遠方を見やれば、雲が消えているところがあった。
どうやら雲には端があるようだ。
そのむこうには、晴空があるようだ。
窓にもう一人の私が映る。
私はそいつを殴った。
拳が痛むが、そんなことは知ったことではない。
私はまだ前に進める。
桟の近くには車椅子があった。
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