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「待って!!」
零が真の傍にいた。
私の声に、真の肩が揺れる。
零は、私を見るなり真から少し距離をとった。
私は、そんな二人に……厳密に言えば真に向かって車椅子のハンドリムを回す。
途中で段差につまずき投げ出されたが、それでも私は這って進んだ。
そんな私を抱きしめたのは、真だった。
「ごめんなさい。」
真の腕の中で泣きながら謝った。
「……泣くな、バカ。」
強く、真は私を抱きしめた。
冷たい滴が一つ、私の肩に落ちた。
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