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「似合ってる?」
頭にサンタの様なニット帽をかぶった真は、零にそう訊いた。
似合ってる、と答えたが真はどこか不安げだ。
その姿に微笑しながら歩いていると、雪乃の病室に着いた。
「クリスマスプレゼントは忘れてないでしょうね?」
「当たり前だよ。」
真は、肩にせおった白い袋をもう一度せおいなおす。
「んじゃ、マイハニーにプレゼントしますか。」
「いや、まだ付き合ってないでしょ、アンタ達。」
「言ってりゃいつか叶うもんさ。」
「そんなもんかしら。」
真が扉をノックすると、中から雪乃の声がした。
どうぞ、と雪乃は言った。
「メリークリスマァぁぁ……す?」
勢いよく扉を開けた真が止まる。
何かに驚いているようだが、真のニット帽や袋が邪魔になって何も見えない。
「どうしたのよ、真?」
「いや……ゆ、雪乃が。」
「なんだっていうのよ……お?」
真を押しのけて零は、雪乃を見た。
雪乃は、松葉杖をついていた。
「必死にリハビリして疲れた。そんな私にもちろん甘い物はあるよね?」
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