失敗

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「かんぱぁい」 私と先輩の石原ともう一人、一緒の業務をしている山崎と3人で乾杯した。石原が 「川村さんとは初めて飲むね。結構飲めるの?」 と聞いた。 「はい。まあ飲めます。」 「頼もしいねぇ。私も飲むけど眠くなっちゃうんだよね。」 と山崎も言った。 「同期で飲みに行ったりしないの?」 石原に聞かれた。 「この前品川の研修の時に行きました。」 「ああ、カプセルに泊まるんだよね。」 「そうです。その時飲みました。」 「いいねえ、同期がたくさんいて。」 山崎が言った。石原と山崎は同期でほかにはあと3人しかいないらしい。 「さっきの事気にしないほうがいいよ。」 石原が言った。 「ああ、原田課長の事?どうしたの?」 山崎が聞いた。 「名前を間違えちゃって。怒られても仕方ないんですけど。」 と私が答えた。 「でもさ、あんな言い方しなくたっていいよね。みせしめみたいにさ」 と石原が言った。 「そうそう。言い方がムカつくんだよね。」 と山崎も同調した。 「何かっていうと私たちの事目の敵にしてる気がしない?」 と山崎は続けた。 「私たちのやり方にいちいち文句つけるんだよね。早く上がるのが気に入らないんだよきっと。」 と石原が言った。 今の業務は山崎より石原の方が長い。山崎は私より少し前に他の支店から異動してきたという事だった。 「カウンターは遅くまで残ってるじゃない?忙しいのもあるけど営業と飲みに行きたいんでのんびりやってるのもあると思うよ。」 と石原が言った。
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