失敗

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石原が続ける。 「私たちはべつに残って営業と飲みに行きたい訳でもないじゃない?だから定時過ぎたら区切りのいいところで切り上げて帰るけど、原田課長はそれが気に入らないんだよ、きっと。」 「だってそうしないときりがないよね?営業が全員帰って来るのを待ってて全部やるまで残ってろって事?」 と山崎は言った。 「多分そう。カウンターの2人は残ってるじゃない?だから私たちも残って最後までやれって事じゃないの?」 と石原が答えた。 「でもお金だって18時にはしめちゃうしキリがないよね。」 と山崎も言った。 「仮払金以外の事は全部やれって事じゃない?台湾、韓国も営業帰ってきたら増えるし、他の国の申請書とかレコメンとかもやれって言いたいんだよ。」 と石原が言った。 「じゃ営業は何するの?」 と山崎が聞いた。 「知らない。でもとにかくそういう仕事は私たちがやれって言いたいんでしょ。」 と石原が言った。 「草野さんはそうしてたの?」 山崎が自身の前任者の事を聞いた。 「ある程度はやってたみたいだけど、人も足りなかったしやっぱり揉めてたみたいよ。今は3人体制なんだからやれるだろうっていうのもあるみたいだけど」 私は戦力になっていなかったので 「すみません、足を引っ張るばかりで。」 と言った。 「新人なんだから当たり前だよ。気にしなくていいよ。すぐに覚えるから」 と2人は口を揃えて言ってくれた。 「課長の言うこと聞いてたら毎日22時過ぎになっちゃうよね。」 と山崎が言った。 「そうだよ。付き合いきれないよ」 と石原が言った。
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