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カウンターの2人の先輩、森沢と高藤という女性はどちらも一人暮らし。森沢は猫のような目をした綺麗な人だが性格のきつさが顔に出ていた。
周りが思っている以上に行き遅れていると自身で感じているようでなにかにつけ自虐的にそのことに触れた。
あまりにしばしば言われると否定するのが義務のように感じられてきた。森沢が
「私なんかもうトシだし。」
と言い出すたびに
「そんなことないですよ。森沢さんは綺麗だし。まだまだ。」
というような台詞を言わなければならなかった。あまり言いすぎるとまたご機嫌を損ねる。
多分陰でヒソヒソと行き遅れているなどと言われているのはプライドが許さないという事なのだと思う。
とにかく扱いにくいタイプの人だった。
ひがみっぽくねちねちと後輩の言動に文句を言ってみたり、忙しい時にはヒステリーを起こしたり。
私は自分の指導係がこの人でなかった事に感謝していた。
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