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もう一人の高藤は後輩の私達より年下だったけれど全く若さを感じさせない地味なタイプだった。
内心どう思っていたかは別として、森沢の腰ぎんちゃくの役割で二人できっちりタッグを組んでいた。
そして二人して私達新人を「ちゃらちゃらして派手でいい加減で若さと色気を武器にしてる連中」と勝手に決めつけている感があった。
若さで言えば高藤のほうが3つほど年下だったのにだ。
ずっと後になってから高藤は営業の一人と付き合っていたと聞いて納得したけれど当時はほとんど毎日営業に付き合って飲みに行く二人の先輩の気がしれなかった。
もちろん残業で残っていれば支店長はじめ営業の男性からは必ず飲みに誘われた。しかも残業のない日なんてなかった。でもなんとかまいて逃げてきたのだ。
銀座支店ではほとんど毎日のように飲んでいた。支店長や営業の誰かにつかまると新人の私達はなかなか帰る事ができなかった。
まだ仕事にもなれていなかったしこれが結構きつかった。明るいお酒で楽しくない訳ではなかったがわざわざ誘われるために残って残業をしているというのは全くわからなかった。
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