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後から営業の原田課長に呼ばれた。先輩も一緒だった。
課長は主に先輩を叱っていた。課長の原田と石原先輩は日頃から険悪な感じだったがこの時は特に険悪ムードが漂っていた。
「他の支店分もあることは言わなかったのか?課コードが違うから気をつけるように言わなかったのか?」
と原田課長が少し詰問するような聞き方をした。
「言いましたけど。課コードの事は言わなかったかもしれないけど当然わかると思って。」
石原先輩が多少ふてくされたような言い方をしたことが課長の神経を逆なでしたらしい。
「言い訳するな。」
課長はきつい調子で先輩を一喝した。
「訂正とマイナスやらで修正に大変な手間がかかるのはわかるだろう。まして月末のこんな忙しい時に。他の課に迷惑をかけるな。」
ただでさえ課長と先輩はいちいち衝突しているのに私のミスで先輩が叱られているのはたまらなかった。私はただ俯いていた。
今後はなんでも最後に先輩が確認するようにと言い渡されて課長から解放された。
石原先輩は席に戻ってからもう一人の山崎先輩と課長の悪口を言っていた。私には
「ごめんね。きちんと教えなかったから。私のミスだよ。」
と言った。私は
「いえ、確認しなかった私のミスです。本当に申し訳ありません。」
と謝った。
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