共鳴

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松屋の角まで来るといつも課長は地下鉄に降りていき私とナオは有楽町に向かうというのが決まりになっていた。 「じゃあお疲れ様でした。」 と言おうとすると課長が 「本当にデートするか?」 と真面目とも冗談ともどちらにも取れるように言った。なんて返事すればいいかわからず私が戸惑っていると 「行こうぜ。じゃあな、坂井。」 とナオに手を振った。 「ちょ、ちょっと待ってくださいよ、課長。」 私は唖然としながらも課長のいうことを聞いていた。ナオもびっくりした顔で 「どうすんの?ミズキ?」 と言っている。 「いいんだ。少し飲んで帰るんだから坂井は帰れ。じゃあな。」 と課長はナオに言った。ナオが私に 「じゃあね、ミズキ。デート楽しんでねー。」 と手を振って有楽町の方へ渡っていってしまった。 「待ってよ、ナオ!私も帰る。」 ナオはもう通りの向こう側に渡ってしまった。 「課長!」 私は課長を睨んだ。 「そう怖い顔すんなよ。かわいい顔が台なしだぞ。」 課長は笑いながら言った。 「怖い顔は課長です!」 私は言い返した。訳がわからないまま突然の成り行きに戸惑いながら課長についていった。
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