変化 #2

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「さっきの男、誰?」 ビールを飲みながら課長が聞いた。 「え?」 私は聞き返した。 「なんか楽しそうに話してたじゃないか。」 「ああ。函館で一緒だったの。石田さんの後輩。」 と私は答えた。 「そいつがわざわざミズキに会いに来たの?」 課長は胡散臭そうに言った。 「わざわざ会いに来たわけじゃないよ。会社がすぐそばだから毎日通るんだって。」 私はなぜか弁明するように言った。 「ふうん。なんか面白くないな。そいつお前に気があるんじゃないの?」 課長が言った。 「妬いてるの?課長?」 私は面白がって言った。 「当たり前じゃないか。」 と課長が言った。 「嬉しい。やきもちやくのはいつも私だけかと思ってた。」 私は笑った。 「函館でなんかあったの?」 課長が疑わしげに聞いた。 「何にもないよ。あるわけないでしょ。課長がいるのに」 私は言った。 電話番号を教えた事はもちろん黙っていた。
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