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「どこまで行くの？」
ヒカルが聞いてきた。
「京橋。」
私は素っ気なく答えた。
「じゃあ途中まで一緒に行こうよ。」
ヒカルが言った。
「うーん。まあ、いいか。じゃあ外で待ってて。自転車取ってくるから。」
私は急いで自転車を取りにいった。外でヒカルが待っていた。
「自転車で行くんだ」
感心したような驚いたような感じで言った。
「そう。電車より早いから。駅から歩いたりするとね。」
と私は答えた。
「そうかもね。」
ヒカルも言った。並んでいるので私は自転車をひいて歩いた。
「何か用でもあったの？」
私は聞いた。
「うん。」
ヒカルは言った。
「俺、家出たんだ。一人暮らし。」
「そうなんだ。」
私は言った。
（それを言いにわざわざ……）
と内心思ったけれど口には出さなかった。
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