決意

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「この手を離さなければならないんだな。」 課長の声には諦観のような響きが感じられた。私はずっと黙っていた。 「俺達こうなるしかなかったのか?」 自問のように言った。 「俺が女房と別れていれば……別れればよかったのか?」 「そんなことできないでしょう?」 課長は最後まで答えなかった。ただ静かに私の手を離した。 「もうひとつ話があるの。」 私は言った。 「会社辞める事にした。転職する。」
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