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「で、どうする?」
「うん。…」
「ミズキ?聞いてる?」
「ごめん、聞いてなかった。何?」
私は言った。
「最近なんかあった?変だよミズキ。さっきからぼんやりして。」
ヒカルが話しかけてきた時、前の晩の事を考えていた。
「飲みに行くくらいならいいんじゃないの?」
と課長に誘われた。セックスは無しの条件で飲みに行ってしまった。良心の呵責を感じた。ヒカルに対してのひどい裏切りだと思った。
黙っている私にヒカルは言った。
「あの男の事?あの男、何か言ってきたの?」
私はヒカルの方を見た。ヒカルの目に浮かぶ苦悩。嫉妬。
……嘘はつきたくない。
でも打ち明けるのは怖かった。
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