20人が本棚に入れています
本棚に追加
全員が座ったところでヒカルが口を開いた。
「真剣な気持ちで付き合っています。ミズキさんを大切に思っています。愛しています。他の誰かでは有り得ない。ミズキさんと結婚させてください。」
私はびっくりしてヒカルを見つめた。もちろん両親も同じだったはずだ。瞬間その場がフリーズした。
私は揺るぎない決意が溢れたヒカルの眼差しに感動しながらヒカルを見ていた。
沈黙を破ってまず父が口を開いた。
「言いたい事はわかった。だけど君もミズキもまだ若い。結婚の前にやるべき事があるだろう?結婚というのは女子供養っていく、食わせていく事なんだぞ。出来るのか?」
「パパ……」
私は口を挟もうとした。
「ミズキは黙っていなさい。今、彼と私が話をしているんだ。」
私は黙った。
「お父さんのおっしゃる事はごもっともです。自分も社会人になったばかりですから準備不足なのはわかっています。始めはミズキさんにも協力してもらう必要があります。でも二人でやっていきたいんです。」
ヒカルは言った。私はただ驚嘆していた。
「すぐにはい、わかったと言える事ではないよ。ミズキはどうなんだ?」
父に聞かれた。
「私も彼と同じ気持ち。」
自然に答えていた。
「とにかくしばらく様子を見させてもらおう。いきなり来られても、わかった、認めようという事ではないからな。」
父が言うと母も
「そうね。初めていらした訳だし。もう少しあなたという人を知らないと娘を預ける訳にはいかないわ。」
と言った。
最初のコメントを投稿しよう!