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「お前にしか頼めないから頼んでるんじゃん。お前、もしかして俺の財布とってないよな?」
呆然とした。瞼の裏が真っ赤になった。
「何言ってるの?そんな事するわけないでしょ!」
「ちょっと言ってみただけだよ。コーフンすんな。な、本当にすぐ返すから。五千でも一万でもいいからさ。」
「本当に無理。私、こういう事は嫌なの。お金の貸し借りは友達でも絶対しない。まして会ったばかりの女に借りようなんて。他をあたって。」
思ってた事を一気に言った。
「わかったよ。もうお前には頼まねえよ。」
「それから。」
私は思い切って言った。
「もう会うつもりないから。連絡しないで。」
「え?何だって?」
「もう会わないって言ったの!」
「ふざけるなよ、お前。何言ってんの?」
「ふざけてなんかいない。もう嫌だからやめようって言ってるだけ。」
「何が嫌だだよ。そんなわけにはいかねえんだよ。俺は絶対そんなの認めないからな。」
「認めようと認めまいと私はもう会う気ないから。じゃ。」
と言ってプツンと電話を切ってしまった。
すっきりした。
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