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2時間ほど経過した。
携帯の電源を入れてみた。
着信履歴:22件、メール:8件。
すべてヒロアキだった。
恐る恐るメールを開いていった。どれもこれも、脅しのような呪わしい言葉が連なって怖くなった。
虚ろな目でそれらを見ているとまた携帯が震えだした。
とっさに携帯を手から離す。
執拗に電話は鳴りつづけた。
こわごわ電話に出た。
「お願い。こんなことやめて。」
と、か細い声で言った。
「お前が電話切るからだ。電源切ったりするからだ。」
「お願い。」
「やめようなんて言うな。お前は俺の女だからな。わかってるだろ。」
「もうやめて。私が悪かった。でもお願い、もう終わりにして。」
「ふざけるな。絶対別れないからな。」
「お願い。」
「絶対、別れないぞ。」
泣きながら電話を切った。
体の震えが止まらなかった。
頭ががんがんした。ドク、ドク、ドクと脈動の度に頭が割れそうなほど痛んだ。
私は何も食べていなかったが薬を飲んだ。どうせ何も食べられそうになかった。
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