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その後も電話とメールは執拗に続いた。
番号を変えるか悩んだ。アドレスを変更してみたところで番号を変えないと電話はかかって来る。
今、新規で携帯を契約し直せばペナルティが発生してしまうし、出来れば番号は変えたくなかった。
でもこれが続くなら変えなければならないかもしれない…。
鬱々とそんな事を考えていたが、相変わらずのだるさにまたベッドに潜り込んだ。
薬が効いてきて頭痛は刺すような痛みから鈍い痛みになってきたが、その分、体はだるさは増したようだった。
気晴らしにと思いテレビをつけてみたが、何もみる気になれなくて消した。
薄暗く狭い部屋。
多少の女らしい演出はあるもののヒロアキの部屋と似たり寄ったりだ。
間に合わせの安物の家具。部屋の隅のカラーボックス。プラスチックの収納ケースの類。
孤独の空気。
ヒロアキも私も愛に飢えた寂しい人間。いわば同士だ。
近頃の私の無軌道ぶりはどうかしてる。
それにしてもどうしてこんなことになってしまったのだろうと考えた。
ある時期までは友達の多くとそれほど掛け離れてはいなかったはずだ。
回り道と言っても、間違った人を愛したり、愛した人と縁がなかっただけだ。
それだって真剣だった。
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