ヒロアキ

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翌日もその翌日もメールと着信が沢山きた。 それらの痕跡を見ていると胃のあたりに鉛の分銅をのせたように気が重苦しくなった。だが日を追うごとに私は慣れていった。そんなメールや着信履歴を見ても何も感じなくなっていった。 木曜日、相変わらずヒロアキからの電話はかかってはいたがその数は火曜、水曜と徐々にではあるが減ってきていた。 このままいつか諦めてくれたらと思った。 午後の休憩室は私の他には誰もいなかった。午後は一人ずつ順番に休憩を取る。 他の課の人も今は誰も来ていない。 昼休みに買ったヨーグルトを食べながらぼんやりと外を見た。 雨が降っているのか確かめようと窓に寄ってみた。よくみると細かい霧のような雨が降っていてとても寒そうだ。 携帯が振動した。ヒロアキではなかった。 「元気にしてた?」 トシヒロだった。 「うん。」 「今、話せる?大丈夫なの?」 「ちょっとなら。休憩だから。」 「そうか。今日会えないかな?」 「ごめん、今日は送別会なの。」 嘘ではなかった。 年内いっぱいで先輩が一人退職する。今日はその送別会が入っていた。
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