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他の客が順に会計を済まし、最後のグループが退出すると晃司が
「すぐ終わりますから待っててください。」
と言って淡々と仕事を片付けていった。
私達はグラスに残ったビールを飲みながら待っていた。
店内の掃除を簡単に済ませ、最後に私達が使ったグラスを洗うと
「お待たせしました。」
といいながら蔵之介と晃司がきた。二人は急いで私服に着替えて(といってもエプロンや作務衣のようなものを外すだけだ。)『蔵之介』を後にした。
タクシーで蔵之介の知人の店までいった。
タクシーの中で蔵之介が
「ごめんなさいね。お待たせしちゃって。」
というので
「とんでもない。ありがとうございます。あの本当にいいんですか?」
と言った。
「お付き合いでね、行かなきゃいけないんで。気にしないで楽しんでください。」
と言った。
店内に入ると早速オーダーだが、私もリカも満腹だったのでツマミは蔵之介と晃司に任せる事にした。私もリカもビール党なので相変わらずビールを注文した。すぐに全員のドリンクが提供されて乾杯した。
いつもカウンターにいる人が私服で脇に座って飲んでいるのが不思議だった。
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