「ヒロ」と呼べる男達 #2

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「ヒロ」と呼べる男達 #2

金曜日の帰りの電車は地獄絵だ。 帰路が同じ方向のリカと、なんとか出口から車輌の中程まで来ると吊り革につかまりながら話が出来るようになった。 「ミサキ、来週も付き合ってくれる?」 リカは一見さばさばとしてあっけらかんとして見えるが、意外と細やかな神経の持ち主だ。 あまり表には出さないが、時々ちょっとした事を気に病んでいる事がある。 何かあったのかな?と思い聞いてみた。 「いいよ。何かあった?」 「やっぱりダメみたい。さっきそう言われた。 来週、私、誕生日なんだけどさ。会えるかわからないって。」 リカが言っているのは課長の武田の事だ。 二人が付き合っていることはトップシークレットで、ジュンや高木も知らない。 「奥さんが何か変だと思い始めてるみたいで今はおとなしくしてようって。」 「そっか。誕生日だったっけ。いいよ、とことん付き合うよ。」 「ありがと。」
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