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晃司から電話がかかってきた時、私は炬燵に入り紅茶を飲みながら借りてきた海外ドラマのDVDを見ていた。
「何してる?」
晃司が聞いた。
「炬燵でDVD見てる。」
「いいなぁ。俺も今すぐそこに行きたいなぁ」
晃司が言った。
「まだ仕事?」
私は聞いた。
「うん。まだ。」
「そう。大変だね。気をつけてね。」
「ミサキ。会いたいよ、俺。」
「うん。」
「やっぱり今日、そっち行っちゃ駄目?」
晃司が聞いた。
「いいけど。晃司が疲れないかと思って。」
「疲れないよ。ミサキといるのにどうして疲れるの?ミサキは俺に会いたくないの?」
「会いたいよ。」
(会いたいに決まってるじゃない…
そう言いたかった。言いたかったけれど言えなかった。)
「じゃ、仕事終わったら行くから。」
「うん。待ってる。」
電話を切った後で食べる物も何もない事に気づいた。
すでに23時も回っていて、買い物と言っても近くにはコンビニしかない。それにこの時間から外に出る気がしなかった。
冷蔵庫を開けてみた。
何かを作れそうなものは入っていない。
とりあえず豆腐とワカメで味噌汁を作り、即席漬けを作った。
そこで自分のしている格好に気づいた。
急いで着替え、軽く化粧をした。髪を整えて何とか身支度をしてから台所の片付けをした。
風呂を追い焚きした。
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