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晃司はほとんど一睡もしていないような状態のまま仕事に向かった。
晃司を送り出してからシャワーを浴びた。シャワーを出ると昨晩の晩餐の残骸の始末にかかった。
窓を開け、空気を入れ換えた。
冷えた空気が部屋に流れ込む。
昨夜の事を思った。
晃司の事を思った。晃司の事を考えると幸せであると同時に不安になる。晃司がいなくなったら、晃司を失ったらという不安。
そして、そんなことを考えても仕方がない事だと気づく。
失う事に怯えてばかりはいられない。
私は淡々とやるべき事をこなしていった。
一通り部屋を片付け、掃除をし、昨晩の残り物でブランチを済ませた。
それが済むと買い物に出かけた。
晃司は仕事を終えた後、今夜も私の家に来ると言っていた。
晃司が使う茶碗や箸、湯呑み茶碗などを選んでいった。
家には友達が来る事もないので、私のものが一通りしかない。
バスタオルや歯ブラシも買った。
さすがにルームウェアまでは気後れしてやめておいた。
地下に降りて食料品を買った。またしても何を作るべきか困ってしまった。今晩も夕飯というには遅すぎる時間になるだろう。食事はしないかもしれない。
両手にいっぱいの荷物を持ち家に帰った。
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