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その夜も日付が変わってから晃司はやってきた。
昨夜からほとんど寝ていない割には元気な様子だった。
くつろいで欲しかったので風呂の使い方を説明して入浴してもらった。
タオルを用意したが着替えはない。やはり着替えも用意すればよかったと後悔した。一通り用意が済むと何だか落ち着かない気持ちで晃司が上がって来るのを待った。
「ありがとう。さっぱりしたよ。」
晃司が風呂から上がったのでビールを出して乾杯した。
「やっぱり着替えも用意すればよかったね。」
私は昨日から同じ服を来ている晃司を見て言った。
「そうだな。今度は服、持って来るよ。」
と晃司は言った。
「いろいろ用意してくれたんだね。」
箸や茶碗なんかを指差した。
「うん。なんかうれしくて。」
と私は言った。
晃司は料理に手をつけた。
「何を用意していいかわからないよ。晃司は本職なんだから。」
私はぼやいた。
「美味しいよ。何でもいいんだよ。俺。うれしいよ。」
晃司はそう言ってくれた。
「眠かったら寝ていいよ。」
私は言った。
「うん。でもやだ。まだ寝たくない。」
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