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翌日は月曜で朝から忙しく、まして火曜で仕事納めなので片付けなくてはならない仕事が溜まって残業になってしまった。
帰宅がいつもより遅くなると晃司は心配した。そういう晃司も普段より忙しいという事だった。
私の会社は28日も通常営業で納会のスタートも遅い。支店内で簡単な納会の後、いつもの飲み仲間で自分たちの納会をした。
いつものように『蔵之介』に行った。
「いらっしゃいませ。」
と店員が口を揃えて威勢のいい声を上げた。
私を見て晃司は本当に一瞬、気のせいかと思うほどの一瞬、かすかに笑顔を見せた。
何となく蔵之介のほうがやはりほんの一瞬だけ意味ありげに晃司を見たような気がしたが、気のせいかもしれない。
「乾杯」「カンパーイ」
既にアルコールの入っている私たちは派手に乾杯した。
「リカは実家帰るの?」
私は聞いた。
「うん。明日行く。めんどくさいけど。どうせすぐこっち戻って来なきゃいけないし。」
「そっか。そうだよねー。あっという間に終わっちゃうしね、休みなんて。」
年明けは5日から仕事だ。しかも5日はおそらくひどく忙しくなるだろう。代理店は年末年始も営業しているところが多いからだ。
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