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改札を出て階段を降りながら呆然と考えた。
ここでヒロアキとの一件があり、その後に起きた事。まだ記憶に新しい。
確かにあの日、晃司とデートしていたがそれはまだ軽いもので…
その後、ヒロアキと会って喧嘩になってと時系列で順に考えた。
そして私が晃司に言った事…あのキス…
考えながら家路を歩いた。
付き合い始めたばかりだ。知らない事があってもおかしくない。
でも女の子と会っていたというのはやり過ごせない。知ってしまったからには聞かなかったことには出来なかった。知らなければならない。
晃司を信じたかった。信じなければ私は壊れてしまいそうだ。
でも私は自分の判断に自信がなかった。
晃司の事ではなく、それまで自分がしてきた事を思うと奈落の底に落ちていきそうだった。
(また私は繰り返しているのか?
晃司もまたあの男達と同じなのか?
またあの日々に戻るのか?
耐えられない…)
その思いばかりが頭を占領していった。
家に着き鍵を閉めた。
玄関にどさりと腰を落とした。
ブーツを脱ぐ気にもなれずしばらくそのまま座っていた。
やがて重い体をあげて立ち上がり部屋に入った。
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