5人が本棚に入れています
本棚に追加
晃司の親にも挨拶に行った。
義理の母親から、多少まとまった金額の祝い金を渡された。
晃司は受け取り儀礼的に御礼を言うと、それ以上は何も言わなかった。私は助かったので心から御礼を言った。会った感じでは義母も悪い人ではない気がしたが、晃司にすれば複雑な思いがあるに違いなかった。
結婚式も何もしなかった。
蔵之介が店を貸し切りにしてリカとジュンがパーティーを企画してくれた。
私はノンアルコールドリンクで乾杯した。
わずかな人数とはいえ、私たちの門出を祝って集まってくれた祝宴の場は、私たち二人にとって本当に心から楽しめるものだった。
そんな席を設けてもらった事に感謝した。
私は悪阻がひどく出産まで体調がすぐれなかったし、晃司は毎日、文字通り朝から晩まで働き詰めだったが、迷ったり立ち止まったりしなかった。
そんなこと感じている余裕すらなかった。
私のお腹の中で子供はどんどん大きくなっていき、動いたり寝ていたりするのがわかるようになってきた。
最初のコメントを投稿しよう!