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産婦人科は駅前にあった。
前日、ネットで調べてみたがどこに行けばいいのか全く検討がつかなかったので、結局いつも目にしている病院に行ってみる事にした。
晃司は気遣わしげに私を見ていたが
「病院、こっちだから。」
と言って私は駅の近くで別れた。
病院は薄暗くひっそりとしていて、私のほかに誰も患者らしき人はいなかった。
それどころか、受付の小さな窓の奥にいるべき人もいなかった。
(もしかして休みかな?でも入口は開いてたし…)
思案しているところへ受付の中年の女性が他の部屋から戻ってきた。
あらら、いたんだ、というような様子で私に所定の用紙を渡した。
「今日は何でしょうか?」
人懐っこい感じで聞いてきた。
「妊娠しているかの検査をしていただきたくて。」
と私が言うと
「はいはい。じゃ、これ書いてそこで待っててね。先生呼んでくるから。」
受付の女性は言った。
しばらく待った。気分が悪かった。胃が重苦しく、常に軽い吐き気がしているような状態だった。
「相葉さん、どうぞ。」
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