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意味のあるもの #2
どうすればいいのか全くわからなかった。
とにかく明日、病院に行こうと思った。でもどこの病院に行こうかさえわからなかった。とりあえず最寄の産婦人科を探す事にした。
その晩も晃司は遅かった。
私はいつものように小さなリビングで録画したドラマを見ながら晃司の帰りを待っていた。
食欲がなかった。
二日酔いのように胃がムカムカした。
そのまま、うたた寝をしてしまったらしい。
鍵の開く音で目が覚めた。
晃司も疲れた様子だった。
まだ晃司に話すつもりはなかった。
はっきりしてからにしようと思っていた。
「ごめんね。ちょっとだるくてろくにおかず作ってないの。」
私は言った。
「俺なら適当に食ったから大丈夫だよ。それよりどうしたの?大丈夫?」
晃司は聞いた。
「うん。何でもないの。ちょっと疲れて。風邪かも。」
私は答えた。
「寝なよ、ミサキ。俺のことなら自分でできるから。」
晃司は言った。
「ごめん。悪いけど寝かせてもらうね。」
晃司の顔を見て黙っているのが辛かったので先にベッドにいく事にした。
眠れないかと思っていたが、体がだるいのは本当で横になるとすぐに眠ってしまった。
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