6人が本棚に入れています
本棚に追加
遡る事、3週間。
私たちは新宿の居酒屋で飲んでいた。
その日、シフトで土曜出勤だった私のところに以前の会社の同期から電話がかかってきた。
「ミキ、久しぶり!」
「おお、ネギシ。久しぶり。元気だった?」
ネギシにはもうずいぶん会っていなかった。前にいつあったか思いだそうとしてみたがすぐに諦めた。
「うん。あのさ、急なんだけど今晩、暇?」
何だろう?と思いながらも、特に予定はなかったので暇だと答えた。
「実は中ちゃんが帰って来てるんだよ。」
「中ちゃん!元気?」
中沢は同期の男性で、3年ほど前からシンガポールに赴任していた。
「そう。一時帰国してるんだけど、今日飲む事になってるの。暇だったら来られないかと思ってさ。」
「うん。行くよ。
でも仕事だから遅れるかも。」
私は言った。
「新宿だけど何時頃になりそう?」
「うーん、急いでも19時は過ぎちゃうと思う。」
「じゃあ着いたら電話して。
あとはキョウコが来られるって。」
「リョーカーイ。
じゃあ新宿着いたら電話する。」
これが私とヒロのストーリーの始まりだった。
最初のコメントを投稿しよう!