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2009 #2
「久しぶりだねー。」
お互いに言い合った。
ナオは相変わらずのプロポーションでお洒落していた。
私の同世代の友達の大半は、子供がすでに小学生の高学年か中高生で手も離れつつあるのが平均的。
彼女も確か、来年には二人の子供がそれぞれ中学生と高校生に上がると言っていた。
週に2、3度、終日車で巡回営業をしているという事だ。
時間的にも金銭的にも今の私よりはるかに余裕がありそうな気がした。
一方の私はといえば、子育てとパートを盾に自分のために時間を割く努力もしていなかった。
その差は歴然としていた。
余分な脂肪。安物の服。適当な髪型。
かつては隅から隅まで発掘したような気になっていたこの街も、いまや私とは縁のない街になってしまった。
今はといえば、子供を乗せて自転車で動ける範囲の地元のスーパーが私のテリトリーだ。
そんなことを考えていると歩行者天国を歩いていても惨めな気持ちになった。
でもせっかく旧知の友達と会っているのだ。
そんなことばかり考えるのはやめようと思った。
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