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2009 #3
多分、奥さんと付き合いだした初めの頃、ベッドサイドストーリーで聞かれるままに語ってあげたんだろう。私とのことを…。
私も同じように前の彼女とのことを聞き出したから。
聞き出しては元カノの亡霊に嫉妬して、今は私のものだと確認したくて「抱いて」と言った。
ヒロに抱かれながら元カノに嫉妬した。
前の彼女もこんな風に抱かれて歓喜したのかと嫉妬して、嫉妬がさらに身体を燃えさせた。
突然、ピンときた。
奥さんは私の存在を後からヒロに聞いた、ただそれだけではない気がした。
奥さんは私からヒロを奪った人に違いない。
だからおそらく私の存在を初めから知っていたのだ。
ただの想像ではない、真実に違いない。何の根拠もなかったけれど、勘がそう告げていた。
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