余韻

16/18
1239人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
「あ、そうそう、そういやー。 まこっちゃん、あのパンキーな服、 まだ返してきてなかったよな?」 思い出したように高杉は言った。 「あ……」 そういえば、高杉には最近会わないし、 洗濯はしたけど、まだ袋の中に入ったまま。 「俺、返しとくけど、、今度、一緒に行く?」 高杉と一緒に出かけるなんて、 高杉の職業を知ってしまった今は、 恐れ多くてできない、、気がする……。 「着たのは私で悪いけど、 高杉返しといて。 あのお店、私じゃ場違いでしょ?」 「そーでもねーけどな。 ま、明日行くから、返しとくわ」 ふーーん。明日、行くんだ? 「そっか。更紗さんによろしく」 わざとイヤミのように言ってやった。 あの店では、私は、彼女のように扱われてたっけ。 たぶん、更紗さんに見せるために……? 私は一旦、自室に入り、 レンタルした服とクツが入った紙袋を高杉に渡した。 「私の、普通の服も返してもらってきてね」 「リョーカイ」
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!