イライラ

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私の所属している空手サークルの練習は週3回。 私は、経験者ということもあって、 1年から主力メンバーとなっていて、 わりと真面目に顔を出している方だと思う。 昼から学校に来たから、 授業は1つサボっちゃったけど、 サークルにはしっかり顔を出した。 体を動かして、汗をかくと、 嫌なモヤモヤも、 ウジウジした考えも、 スッキリ晴れて行く気がする。 サークルは、 全員合わせても20人ほどしかいなくて、 その日練習に来てたのも、 10人ほど。 私と同じ1年生は、 私も入れて2人だけだった。 「真琴ちゃん、今日ご飯食べに行かない?」 今日唯一の同級生の亮史(リョウジ)。 亮史は男だけど、仲の良い同級生。 基本、自分よりも弱い人は恋愛対象外で、 大学から空手を始めた亮史は、 私の足元にも及ばない。 「ごめん、今日は疲れたから、 帰って寝る」 飾りも何もない、可愛げのない言葉。 昨日も最後に時計を見たのは、3時過ぎで。 そのあとも、いろいろあって、疲れた。 「あっそ。じゃ。また今度な」 亮史も別に気にする様子もなく、サラっと言う。 亮史とは、こんな関係で、 わりと気に入ってた。 サークルに出て、 集中して、練習して、 汗をかいたことで、 だいぶ気分もすっきりした。
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