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「あ、寝ちゃった……」
朝、やたらすっきり目覚めた。
「おなかすいた……」
独り言を言いながら、リビングに出る。
昨日の夜の晩御飯を食べ損ねた。
何食べようかなぁ。
少し忘れかけてたのに、
ホワイトボードを見るなり、
私の動きは固まってしまった。
『まじ、イテー。
ありえねー!
腹から声がでねー!』
フッ。
思わず笑ってしまった。
あのキスに関してはノーコメントってことか。
高杉らしくて、なんだか気持ちが晴れて行く。
なんだろ?
妙に、高杉の動向を気にしてる気がして……。
サプライズで本当に驚いたのは、高杉の歌であって、
高杉に惹かれるなんてありえない。
フリーターだろうが、
プロのミュージシャンだろうが、
私にとっては、ただの同居人であることには変わりないのに。
ホワイトボードに返答があっただけで、
気持ちが晴れてしまった自分に、
イライラする。
「正志さんに会いたいなぁ」
声に出して、つぶやいた。
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