彷徨う

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智ちゃんもそれっきりしばらく黙って。 心地よい沈黙の中で、 私の気持ちはだいぶ整理がついていった。 「あ、そういえば、Mスタあった日。 カサスさん家に来たんだよ。 たぶん智ちゃんに会いに」 「うそ!ほんとに!? わーー。すっごいショックー。 やっぱりあいつのとこなんて、行くんじゃなかった」 本気で悔しそう……。 「そういえば、カサスから連絡が来てて。 あの日のことは言ってなかったんだけど」 うれしそうに、メールを開く。 「『今度のライブおいで』ってさー!」 座ったまま飛び跳ねそうくらい弾んだ声で話す。 「『真琴ちゃんも一緒に』って書いてあるよ。 一緒に行こうね!」 智ちゃんの無邪気なキラキラした目は、 女の私でもドキリとするくらいかわいい。 DIMEのライブ……。 もう一度、生で聞きたい。 DIMEの曲に、心を奪われてしまったのは、もうごまかせない。
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